排気量の計算式と計算方法
あなたは車の排気量の計算方法をご存知ですか?
今回は、計算方法は知らない、でも言葉は良く耳にする「排気量」についてご紹介します。
自動車税と排気量
今年の七夕の日も織姫と彦星は逢うことが叶わなかったのでしょうか。
毎年風に揺れる七夕の短冊飾りを見るたびに思い出します。
筆者の愛車が車検の時期を迎えるのが、実はちょうど七夕の頃なのです。
年々厳しくなっていく車検を相手に愛車は苦労を余儀なくされていますが、今年も2年ぶりの車検を無事に終え、元気に戻ってきてくれて一安心です。
さて、車検の際に支払う費用に自動車重量税がありますが、それとは別に自動車税があります。
毎年4月1日現在の自動車の所有者に課される税金です。
自動車税からは逃げられない
自動車税は車検を受けるか否かに関わらず納税義務が生じるため、駐車場に置いたまま走行していない状態であっても納税義務を免れることはできません。
この自動車税は自動車の種類や用途以外に排気量で決まっていることはよく知られていると思います。
では、よく耳にする排気量とは何なのでしょう。
排気量とは?
排気量とはマフラーから出る排気ガスの量ではありません。
エンジンの排気量とは、シリンダーの容積を表しています。
1つのシリンダーの容積はピストンが一番下(下死点)にあるときの容積と、一番上(上死点)にあるときの容積の差で表されます。
つまり1つのエンジンの総排気量は、1つのシリンダーの容積とシリンダーの数をかけた数値をccまたはリットルで表します(1リットル=1000cc)。
円の面積を求める計算式は
半径×半径×3.14
ですから、ボア(ピストンの直径)からピストンの面積がわかり、それに行程(上死点から下死点までの距離)を掛ければ簡単に排気量が計算できることになります。
筆者の愛機B18Cエンジンを例に実際に計算してみます。
諸元表を見ると
内径81.0mm
行程87.2mm
とあります。
(81.0÷2)×(81.0÷2)×3.14×87.2×4気筒=1796.45cc
となり、諸元表にある総排気量1797ccと一致しました。
ただしこれは、通常のエンジン(レシプロエンジン)の場合です。
ロータリーエンジンは構造が大きく異なっています。
ロータリーエンジンとは
レシプロエンジンはピストンの上下運動を回転運動に変換しているため、その際にエネルギーが失われてしまうという欠点があります。ならばガソリンを爆発させて得られる力をそのまま回転運動の力にするという発想で生まれたのがロータリーエンジンです。
おむすび型のローターとエンジン内部の壁との間にできる容積は回転により変化します。レシプロエンジン同様、容積の最大値と最小値の差が単室容積となり、それにローターの数をかけたものが総排気量となります。
13Bエンジンを例に挙げると、
654×2ローター=1308cc
ということになります。
しかしロータリー車は特別で、税制上これに1,5を掛けた排気量の自動車として扱われます。
654×2×1,5=1962ccとなり、2000ccクラスと同じ税金を支払わなければなりません。
ロータリー車の税金が高いのには様々な理由があるようですが、排気量あたりのパワーがレシプロエンジン車よりも格段に上であることを考えると納得できますね。
ロータリーは、それほど価値のある素晴らしいエンジンなのだと筆者は考えています。
最後に
その一方で、筆者の愛車は古くなったことを理由に税金が上がってしまいました。
しかし古くなっても大切な存在であることには何ら変わりありませんし、諸元表を見直して改めて凄い車だと感動した次第です。
皆さんも、ときには諸元表を見直してみて下さいね。
簡単な計算をしてみることで愛車がもっと身近な存在に思えるかもしれませんよ♪